イギリスの1ポンドコインは、大きさのわりに厚く、チョコレートのお菓子のようでかわいいのですが、この図柄にははかなりの種類があります。調べてみると、どうも1ポンドコインは毎年片面の図柄が変わるようで(もう片面はエリザベス女王の肖像)毎年、新しい図柄を発見するのが楽しみです。83年以降に発行された1ポンドコインの図柄は以下のとおりです。
年 図柄 象徴 冠 モットー 83 紋章 連 小 DECUS ET TUTAMEN 84 植物 (1) ス 小 NEMO ME IMPUNE LACESSIT 85 植物 (2) ウ 大 PLEIDIOL WYF I'M GWLAD 86 植物 (3) 北 大 DECUS ET TUTAMEN 87 植物 (4) イ 大 DECUS ET TUTAMEN 88 楯と冠 連 大 DECUS ET TUTAMEN 89 植物 (1) ス 大 NEMO ME IMPUNE LACESSIT 90 植物 (2) ウ 大 PLEIDIOL WYF I'M GWLAD 91 植物 (3) 北 大 DECUS ET TUTAMEN 92 植物 (4) イ 大 DECUS ET TUTAMEN 93 紋章 連 大 DECUS ET TUTAMEN 94 獅子 (1) ス 大 NEMO ME IMPUNE LACESSIT 95 ドラゴン ウ 大 PLEIDIOL WYF I'M GWLAD 96 十字架 北 大 DECUS ET TUTAMEN 97 獅子 (2) イ 大 DECUS ET TUTAMEN
● 図柄について:1ポンドコインに描かれる図柄には、連合王国及びその構成国を象徴するモチーフが使われており、連合王国、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、イングランドと5年で1サイクルまわるようになっています。例えば、84〜87年、 89〜92年の4種類の図柄はそれぞれの国を象徴する植物(2がリーク(ねぎ)、1がアザミ、4が樫、3は・・・バラ?)であり、94年からはスコットランドのライオン・ランパント(立ち姿の獅子)&ロイヤル・トレッシャー、ウェールズの国獣・ドラゴン、北アイルランドはケルト十字、イングランドのライオン・パッサント・グァーダント(イングランドの紋章と同じ3頭の獅子)となっています。連合王国の象徴としては、エリザベス女王の紋章が用いられ、88年の楯と冠というのは、この紋章中に描かれている楯に王冠を載せたものです。(表中、象徴の欄に記した文字は、連:連合王国、イ:イングランド、ウ:ウェールズ、北:北アイルランド、ス:スコットランドの意です。)
● 冠(エリザベス女王の肖像)について:
裏面?に描かれている、エリザベス女王の顔にも少なくとも2種類のバージョンがあります。微妙に顔の角度も違うんですが、一番大きな違いは、冠です。片方は、小さな冠で、冠より上に髪の毛が出ているのに対し、もう一方は、より大きな冠で、冠より上に髪の毛は見えません。これを便宜上、上の表では「小」「大」と表記しましたが、実はこの違い、若き日のエリザベス女王を描いたのが「小」で、あまりにも実際のお顔と違ってきた?ということで、お年を召されてからの肖像にモデルチェンジしたのが、85年以降の肖像なのです。これは1ポンドコインだけでなく、他のコインにも見られますので、探してみてください。
● モットーについて:
モットーとは、コインの側面に記された言葉のことです(正式には別の呼び名があるかもしれません)。図柄がイングランド、北アイルランド、連合王国を象徴している時には「DECUS ET TUTAMEN」が、スコットランドの時は「NEMO ME IMPUNE LACESSIT」、ウェールズの時は「PLEIDIOL WYF I'M GWLAD」が刻まれます。「DECUS ET TUTAMEN(=honor and protection?)」と「NEMO ME IMPUNE LACESSIT」はおそらくラテン語で、「NEMO ME IMPUNE LACESSIT」はスコットランドに何か関係のある言葉なのだと思いますが、意味はよく分かりません(^^;。ラテン語が分かる人がいたらだれか教えてね(^_^)。一方、「PLEIDIOL WYF I'M GWLAD」は、ウェールズの国歌「Hen Wlad fy Nhadau」の一節にもでてくる言葉で、「I'm true (honest/faithful) to home. (I'm devoted to my country.)」=祖国に忠誠を、という意味だそうです。
● その他:
この表のコイン以外にも、ダチョウの羽3枚組(プリンス・オブ・ウェールズの紋章)をデザインしたものがあるとの情報もあります。今の1ポンドコインがいつから発行されているか分かりませんが、そうすると、上の表より、さらに5年はさかのぼることができるかもしれません。82年以前のコインの情報をお持ちでしたら、ぜひご一報ください。
最近、大きて重いことで悪評高かった50pコインが大幅にモデルチェンジされました。また、2ポンドの普通コインが発行されました。
● 謝辞:
この調査には、Nifty-serve,FEURO,MES3 にて、多くの方に協力していただきました。レスをくださった皆様、ありがとうございました。
● お詫び:
アップ当初、コインの図柄と象徴する国の対応にミスがありました。現在は訂正を行いましたので、多分あっていると思います。もし、まだおかしな点がありましたら、ご指摘ください。